人生に無駄なことはない──回り道をしてきたからこそ気づけた大切なこと

デザイナー

サイバードへ中途入社し、リードデザイナーとしてチームメンバーの管理を行っている渡邉 友子。デザインの専門学校を卒業後、2社での就業や海外放浪など、さまざまな経験を積んできました。そんな彼女が、デザイナーとしての理想の姿とやりがいを語ります。

お客様に楽しんでもらうために、デザイナーとして出した答え

▲自身の経験を言葉に、行動にしてチームを牽引する渡邊

2021年現在、恋愛ゲームのアートディレクターを担当している渡邉。

主に外部のデザイン制作物、同じチームデザイナーのクオリティー管理やスケジュール調整を行っています。

担当したタイトルの立ち上げでは、デザイナーとして企画段階、「世界観構築」というところから携わりました。

渡邉 「キャラクターデザインは外部のイラストレーターにお願いしていることもあるのですが、今回はデザイナーとして、イラストレーターを選定する部分から携わりました。社内でもコンペを行い、外部と社内双方のイラストレーターとどのデザインがタイトルにあっているかを選びました」

イラストレーターを決め、背景やUI、ゲーム画面のデザインの色味など世界観という部分を考える必要があります。そうしたトータルのコンセプトもすべて渡邉が提案し、企画担当とすり合わせて形にしていきました。

プロデューサーを始めとする社内の企画/ライターなど他セクションからから出る要望をかなえつつ、お客様に対して伝わりやすい形にするのが自分の役目だと言う渡邉。

渡邉 「入社したときはデザイナーが少なく、プランナーが仕様や概要を綿密に決め、その通りにつくるということが多く、違和感がありました。今は、たとえプランナーが仕様や概要を綿密に決めていても、自分の考えを提案するようにしています。『仕様はこうなので、この通りに入れました』というのはデザイナーの仕事ではありません。デザイナーは自分で考えて、踏み込んで、アイディアを整理していく仕事だと思っています」

渡邉はこの作品でお客様に一番伝えたい部分を自分の中で考え企画側へ提案し、可視化しているのです。

人との出会いとさまざまな経験が自分をさらに大きくさせた

▲海外放浪中での大切な出会い

作品を良くするために、デザイナーの枠を超えて、さまざまな提案をしている渡邉。

物心ついた時から絵を描くことが大好きだった彼女は、専門学校へ進学し、好きな絵を学び続けていました。

そうした背景から、「絵を描くことを生かせる仕事をしたい」という想いを持ち、就職活動をします。

渡邉 「自分の世界観があるというよりは、人のオーダーを受けて想像を膨らませる方が得意だったので、芸術家の道は難しいだろうなと思っていました。デザイナーの仕事を明確にイメージできていませんでしたが、仕事で絵が描けるらしいし、出来るかもと、単純な考えで就職しました(笑)」

そうしてデザイン事務所に就職し、ファッション系のチラシやカタログ、広告など紙媒体のデザインを担当していました。そこで「デザイナーとはどういう仕事か」という基礎の基礎を学んでいきます。

そして、2社目はWeb制作会社に、設立メンバーとしてジョインしました。

渡邉 「当時、チームでゼロからものをつくるという状況でした。決められたフォーマットやフローがあるわけでなく、ゴールに向かってどう取り組むか、全員が常にアイディアを出していく状態だったんです」

この時、初めてアバター制作に携わった渡邉。何も知らない中で、ゼロからのスタートでした。

渡邉 「アバターを担当するデザイナーは自分しかおらず、つくり方も知らない中で制作を進めました。他の会社から情報を集めて分析したり、エンジニアと相談しながら動きを決めたり、ゼロからアバターというサービスをつくっていました」

アプリのリリースを無事に迎え、当時の業務を一通り経験した渡邉は新たな挑戦をします。

それは……バックパッカーとして中南米をメインに放浪することでした。実は、サイバードへ入社前の2年間、ワーキングホリデーをしたり、海外を渡り歩いていたのです。

渡邉 「元々人見知りなのもあり、最初は、海外で人に話しかけることを怖いと感じていましたが、言葉が通じなくても親切な対応をしてくれる方が多かったんです。そこからは恥ずかしがらずに、 自分も言葉を覚えて、なんでも聞けるようになりました」

分からないことを聞くことに抵抗を持っていた渡邉は、海外での経験を経て、積極的にコミュニケーションを取れるようになったのです。

リーダーとしての重圧──乗り越えられたのはチームの支えがあったから

▲ワーキングホリデイ時代、渡邉は現地の取材を受けました

海外から帰国後、再就職を考えた渡邉は、アプリ制作の経験が生かせるIT系に絞って仕事を探していました。

渡邉 「当時何社か受けていたのですが、当然ながら2年の空白を気にされることも多かったです。『2年も離れていて、ツールの使い方とかアプリのトレンドとかわかるの?』という当たりの強さを感じていました。そんな中、サイバードでは2年離れた経験をポジティブにとらえてくださったんです。『その経験で度胸とかついたんじゃない?』という感じで受け入れてくださいました。そうした人柄の良さもあり、入社したいと思いました」

そうしてサイバードに入社した渡邉ですが、当初は周りの学歴や経歴に対し、引け目を感じていました。「できないことが多い」という気持ちが大きかったと言います。

現在のアートディレクターという役職に立った時も、渡邉には多くの不安がありました。

渡邉 「見積の出し方も分からず、コンセプト決めもスムーズにできませんでした。そんな中で自分の悩みを相談していた時、上司が『リーダーもいろんなタイプがいるから、他の人がそうしていたからって同じようにしなくていいんだよ』と、背中を押してくださいました。そうして、みんなに支えられ、助け合いながらリリースまで行うことができたと感じています。周りの人には感謝しています」

そんな彼女がやりがいを感じるのは、自分が携わっている作品が世の中に出て、反応がもらえた時。自分で表現すること、 ものをつくるのが好きだからこそ、大きなやりがいを感じるのです。

渡邉 「今はチームで制作しているので、みんなでコミュニケーションをとりながら作品をつくり上げています。いろんな人の意見が落とし込まれたものを通して、お客様やチームメンバーが喜んでくれるととてもうれしいですね」

無駄なことなんて一つもない。過去の経験こそが最大の財産

▲バックパッカーとして訪れたボリビアのウユニ塩湖

現在はアートディレクターという立場に立つ渡邉。常に心がけていることがあります。

それは、一緒に仕事をするメンバーのモチベーションやスキルアップに繋がると良いなということ。

渡邉 「やりたくない仕事ってそれぞれありますよね。なので、それをトップダウンで押し付けるのではなくて、『こういう風に成長していけるよ」と前向きに伝えることを意識しています。そうして、仕事に対して楽しさを見出してほしいと思っています」

今までの人生で多くの経験を積んできた渡邉ですが、これまでの経験が役に立たなかったことはないと自負しています。諦めずに向き合い続けることで、結果につながっていくと考える彼女は、どのような環境に置かれても最善を尽くす努力を重ねていたのです。

渡邉 「常に最善を尽くす姿勢が活かされた結果として、今のポジションを任せていただけているんだと思っています。仕事をする上では、同じことの繰り返しで飽きが来てしまうことがあるかもしれません。チームメンバーには、その中でもどうやって新しいアイディアを入れ込むか、どうやったら楽しくなるか発信できる人になってほしいですね」

自主性を大事に、みんなで楽しく盛り上げられるようなチーム──サイバードの中にある「聞く姿勢」「自分で考えてアイディアを出す姿勢」を活かしたチームづくりを渡邉は目指しています。

渡邉 「サイバードは、みんなとものづくりをしたい/作り上げていきたい人の方が合うのかなと思っています。また、チームの中で、なるべく属人化しないように、みんなで助け合って仕事をしています。日々のタスクを担当しながらも、やったことがないことにもチャレンジする精神がある人と一緒に働きたいです!」

渡邉はこれからも経験という名の財産を仲間とともに積み重ね、新たなことに自主的にチャレンジしていけるチーム築き上げていきます。

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