何かを好きであること。その好きを口に出すことが築き上げた20年間

プロデューサー

2022年9月、サイバードの設立記念日に開催される全社員参加イベント「CYBIRD Day」にて、永年勤続者として表彰された小松 真一。入社から20年間、一貫してゲームの企画、開発、運営に携わってきました。20年という長い年月をサイバードでの仕事に費やしてきた理由、原動力、そしてこれからの展望を今、語ります。

仕事として選んだ「ゲーム」――その歩みとサイバードとの出会い

▲担当する業務は「好きになり、こだわる」ことを大切にしている小松

新卒で入った会社はゲームソフトを制作する会社でした。2社目もゲーム関連会社に転職。その後フリーランスを経てサイバードへ入社しました。どの会社でも、入社するときには「こういうことを覚えよう」という目標がありました。

小松「大学時代からゲームかアニメを制作する会社に就職したいと思っていました。当時は今より求人を探しにくく、飛び込みで自分を売り込んだり、メールを送ったりしていました。50社くらい応募したと思います。」

大学ではプログラミングを学んでいたこともあり、1社目の会社ではプログラマーとして採用されました。しかし、入社後に配属されたのは企画担当でした。

小松「企画書を書いたり、広報をしたり。小さい会社だったのでなんでもやりました。お客様からの電話が鳴ったら急いで新卒が出て、ユーザーレポートも自分たちで受けていました。ただ、企画はするけど、開発は他社に委託していたので、自分でゲームを作っている気はしなかったです」

もっと自分でゲームを作りたいと思い、転職を決意。2社目では、レースゲームやアドベンチャーゲームを作るディレクター業務を担当しました。しかし、次回作の企画を温めていた矢先、会社がゲーム事業から撤退することに。

小松「ゲームを作り続けたくて、温めていた企画を他社に提案したところ、すぐにやろう!となりました。その会社とはフリーランスとして契約して会社の1室を借り、プログラマーやデザイナーなど仲間を自分で集め、オフィスの椅子も自分たちで整え、一から環境を自分たちで準備しゲームを制作しました」

1年半ほどで自分が企画したタイトルが完成し、満足感とやり切った充足感をひしひしと感じたことは今でも思い出されます。

小松「その後は、元々好きだったパチスロで稼いで数か月生活していました。前の会社で知り合ったプロデューサーが『ケータイでゲームができる時代になったぞ』と熱弁してくれて。今と比較すると簡単なゲームではありましたが『ゲームはこれからケータイでやるものになるかもしれない』と、そのプロデューサーがいる会社に誘ってくれました。何度か断ったのですが、あまりの熱意と面白い時代になると言われたことに可能性を感じ、やってみるかと思い、創業間もない、西麻布にオフィスを構える会社に行くことにしました。こうして入社したのがサイバードです」

サイバードでの20年間を振り返る――今も心に残るエピソード

▲永年勤続のお祝いプレート

サイバードに入社して、始めはミニゲームを担当していましたが、社内で「小松はゲームよりギャンブルだろ。ギャンブル案件は小松に回せ」という話になりました。

小松「当時はガラケーの月額サイトが主流な時代。とにかく取引先候補の会社に、サイバードはこんなことができる、どのくらいの利益が見込める、という営業をしていました。先方から受注したとなればサービスを作り、3か月後にはリリースしている、そんなスピード感でした」

あるとき、企業同士の集まりでサイバードの社員が、今も続く取引先の担当の方と話す機会があり、パチンコ系のケータイサービスをやりたいという話を聞きました。そこで、サイバードにはパチンコに詳しい者がいると売り込んだところ、提案するチャンスをもらえ、取引が実現することになったのです。

小松「当時はまだ公式モバイルサイトというサービスをやっていた会社が少なかったんです。他社なら半年はかかる、でもサイバードなら3か月でできる、と売り込みました。そんなスピード感で営業し、ばんばん仕事を受注していた時代。その後の運営業務もあったので、当時のマネジメントやリソース管理は大変だったろうなと思います(笑)」

その当時、モバイルでのコンテンツサービスはまだ黎明期で、一からの立ち上げは苦労しました。案件を獲得し、各通信キャリアに申請し通過させる。一人では無理だと思い、自分で仲間をスカウトしてきました。

小松「今じゃ考えられないくらいの忙しさでした(笑)。優秀なディレクターを口説いてきたのですが、彼はパチンコの知識ゼロ。実際にパチンコ屋さんに連れていき、仕組みを教えて覚えてもらいました。思い描いていたゲームを作るために、自ら仲間を探し、目標に向かっていました。締め切りにも追われ、仕事のプレッシャーもありましたが、いいものを作りたい、こだわりたいという思いのほうが強く、とても楽しかったです」

好きであること、そして僕らには何ができるか――変わらず追及し続けた自分の中での軸

▲好きなパチンコで休日を楽しむ

今よりも早い業務スピードで時間もなく多忙でしたが、没頭していたので全く苦ではありませんでした。スピードも然ることながら、中身ももちろんさらに良いものをと考えていましたが、こだわりを通すためにはさらに時間がかかることが見込まれました。それでも、プロジェクトの目指すゴールは完成させることではなく、楽しめるものを作るということだと思っていたのでこだわりぬくことを頑張れたのです。

小松「こだわるというのは好きでないとできない、そして実現のためのその苦労を苦労と思わない。それが好きだということだと思います。とはいえ、好きなモノやコトばかりを仕事にできるわけではないですけど(笑)。だからこそ、その好きじゃないものを好きになる、ということも大事だと思っています」

小松はサイバードで20年間同じジャンルの仕事を担当してきました。ガラケーからスマホへと移行したときも、そして今も。なぜそんなに長く続けられているのでしょうか。

小松「長く続けようと意識したことはあまりなかったです。もちろん一定の売上があるということもあるけれど『お客様が何を求めているのか』を常に考えて仕事をしてきました。この大切にしてきた想いが、取引先にも伝わって良い関係を長く続けられていると思います」

また、取引先だけでなく、取引先の業界自体を盛り上げようと思い続けてきました。大切にしてきたその姿勢がこれまでの実績に繋がり、今に至っているのです。
自分が理想とするものを作れたとき、良いものが作れたとき、「よし!」と思えるときが嬉しい。それが仕事をするうえでのやりがいになっています。

小松「例えばマンガ作品の担当になりました、だったら全巻読むべき。競馬の担当になったら、競馬場に行ってみて実際に遊んでみる。知ろう、好きになろう、とすること。ファンの方は好きだからそのもののことをよく知っています。サービスを提供する側がそれを知っているということは大事だと思います」

自身も好きなものを社内で公言していたことがきっかけで、好きなことを担当できるようになり、営業するときにも具体的な話になり、さらにそこからまた話が広がっていったのです。

小松「好きということは本当に強い。うまくいかないことももちろんあるけど、自分がそのものを好きであるから分かること、想いがある。それを取引先に伝える。取引先からのオーダーに対してファンの立場とビジネスの立場、両方から意見をぶつけることもありました。

普通は言いづらいかもしれない。でも好きだということが伝わっていたからこそ、言い合える関係を築くことができ、話を聞いてもらえることが多々ありました。一緒に作り上げているというか。それが原動力となり、どんなに忙しくてもやってこられたと思います」

これからも楽しく仕事が出来る仲間を増やしていきたい。だから「託して」いく

▲永年勤続20年の表彰式後の小松

一貫して『好き』にこだわる。だからこそ、今、好きなものも、これから好きになるものも含めて、それを仕事にできるサイバードで働くことを楽しんでいると小松は言い切ります。

小松「好きなことを仕事にできているのは、とてもラッキーだと思っています。でもこれは運が良かっただけではなく、好きなことを口にすることが大事だと。自分は『ギャンブルのことなら俺に任せろ』と社内でアピールしていましたし、言い続けていた結果が今につながっているので、好きなこと、得意なこと、やりたいことを言っておくことが大事なんだろうと思います。

仕事をやっていて楽しいって、すごいことでこんなに良いことはないと思います。だから楽しく仕事するためにも、そういうことを言い続けることは大事」

マネジメント業務も担当している今、その想いを次につなげたいと思っています。

小松「後輩や部下ができた初めのころは自分でなんでもやっていました。上司として業務をマニュアル化し、手取り足取り教えなくてはと思っていましたが、そのやり方だとメンバーが成長しない、と思うようになりました。自分が入ると細かく口を出したくなるタイプなので(笑)、できそうだな、と思ったら『基本的には任せる。やってみて。』と言うようにしています」

メンバーたちも任せられているという信頼を感じ、自分で考え提案し、成長していると実感するようになっていきました。

小松「任せることってすごく難しい。間違えないように、自分ならこうするなど、葛藤もあるけれど、中途半端に入ってしまうとメンバーもやりづらい部分があるだろうから、任せることにする。仕事で考えることや交渉することはやってみないと分からないし、身につかない。経験を増やしてあげられることが成長につながると思います」

新卒や中途入社の方に自分の事業部について話しをするガイダンスで『サイバードはいい会社。言えば任せてもらえる、やらせてもらえる、その可能性がある会社。だから口に出してください』と伝えている小松。

これからも好きであること、好きになること、それを伝えることを大切に、社内にも、お客様へも、その情熱を伝えていきます。

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