シナリオライター
山口 里奈

現在の仕事内容について教えてください
現在は新規開発のチームでメインライターを担当しています。シナリオライティングやディレクションに加え、世界観やキャラクター設定の策定など、作品の根幹を形づくる業務を幅広く担っています。
キャラクターや世界観を創り上げる際には、広くリサーチし、良い要素は積極的に取り入れつつ、サイバードならではの強みを活かすことを大切にしています。そのうえで、お客様の期待を裏切らず、むしろ上回るような作品に仕上げられるよう心がけています。
入社のきっかけは何ですか?
以前通っていたシナリオスクールを通じて求人の情報をいただいたことが入社のきっかけです。当時は恋愛ゲームに詳しいわけではなかったのですが、「なんだか面白そうだな」という直感と勢いで応募しました。
実際に働き始めてみると、活字離れが進んでいると言われる中で、イケメンシリーズのお客様は物語そのものをとても大切にされていることを実感しました。そういうお客様に向けて物語を紡げることは、ライターとして大きなしあわせであり、この仕事を続けたいと思える原動力になっています。
サイバードでの印象深いことを教えてください
「もっとHAPPY感を盛ってイチャイチャさせてください」ーー。
新人の頃に初めてイベントシナリオを書いたとき、先輩ライターに言われた言葉です。
当時の私は「HAPPY感」というものを自分の中でうまく言語化できず、正直とても戸惑ったことを覚えています。けれど、その一言をきっかけに、恋愛シナリオにおける「HAPPY感」とは何かを自分なりに突き詰め、試行錯誤を重ねていきました。
今ではそのコツをしっかり掴み、思う存分イチャイチャイチャイチャさせられるようになったと思います(笑)。
最初から感性として理解できる人もいれば、私のように分からない人もいる。分からない場合には、ロジカルに伝えるようにしています。
初めの頃、うまく言語化できなかったからこそ「お客様に届けるためには、よりちゃんと考えて書かなければならない」と思ってきました。先輩からもらったものを、ちゃんと受け継いでいけたら嬉しいです。

仕事のやりがいや楽しさ、面白さはどんなところですか?
物語はひとりでも創ることはできますが、チームで取り組むことで作品をより遠くまで届けられる力が生まれます。その分、「自分のためではなく、お客様のためにシナリオを書くのだ」という意識が強くなります。お客様のことを考え、分析し、どうアプローチするかを考えるのは、まるで恋愛そのもののようで、手応えを感じられたときには大きなやりがいがあります。
また、チームでモノづくりをする中では、仲間の存在に助けられることも少なくありません。
例えば、ライターにとって長編を書くのは大きなエネルギーが必要で、最初の頃はスケジュールどおりに進められなかったり、こだわりすぎてしまったりすることもありました。そんなとき、真摯に原稿に向き合って監修し、並走してくれるディレクターの存在がとても心強かったです。最初の読み手として社内に仲間がいて、「次の原稿も読みたい!」と言ってもらえると、それだけで孤独ではなくなるし、もっと頑張ろうと思えます。こうしたやり取りができるのがチームで創ることの醍醐味だと感じます。
失敗談や苦労話、プロジェクトの裏側など
初めて担当したタイトルでは、とても苦労しました。気持ちが沈むときもありましたが、書いている本編の中で信念に基づいて戦うキャラクターたちに力をもらい、まるで自分も最前線で刀を振るうような想いで執筆していました。
そうして想いを込めて世に送り出したタイトルは、お客様のもとにしっかりと届き、応援していただけたことが大きな支えになりました。キャラクターは誰かに知ってもらわなければ生きられません。だからこそ「届けられた」という実感は、運用に入ってからも新たな気持ちを生み、頑張る強い原動力になりました。
一緒に創るチームメンバー、そしてキャラクターを愛してくださるお客様に恵まれ、今も充実した日々を過ごせています。
あなたにとってのCYBIRD SPIRITは何ですか?
MISSION
何日も何日も、椅子に座って指を動かし続けた先で、この世界の誰かが笑ってくれる――そんな瞬間は、まるで魔法のようでライター冥利に尽きると感じています。
VISION
ライターは情熱を文章に込めることが得意分野ですが、その情熱を言葉にして周囲へ伝えることがつい疎かになりがちです、だからこそチームで仕事をするときには、意識的に「情熱を言語化して伝える」よう心がけています。
例えば、最終的なアウトプットだけを提示するのではなく、その過程や背景にある想いを共有するようにしています。そうすることで、一緒に取り組む仲間が同じ気持ちで別の作業に向かえたり、思い違いがあれば早い段階で擦り合わせたりすることができます。
また、人のアウトプットに対しても「すごく良かった」とシンプルにでも言葉で伝えるようにしています。言葉を惜しまないことが、チームプレーをより良いアウトプットにつなげられると実感しています。
VALUE
挑戦は向こう見ずになりがちですが、本質を見極めるには冷静さが必要。そのふたつの両立こそが、組織の中でクリエイターが担う在り方だと思っています。また、「愛」とは最大限の誠意を持って仕事や仲間に向き合う大切なことだと解釈しています。

これからやりたいこと、チャレンジしてみたいことはどんなことですか?
現在のイケメンシリーズを愛してくださっているお客様への感謝を胸に、次の作品では「まだ誰も味わったことのない、新たな恋愛体験」を届けたいと考えています。これまでのようにシナリオを読んでいただくことで恋愛体験を提供するだけでなく、お届けする物語を広げていけるのではないかと模索しているところです。
直接的なシナリオではなくても、ライターとして新しい形で物語を紡ぎ、恋愛体験につなげていく――そんな仕掛けを試行錯誤しながら実現できたらいいなと思っています。
また、機会があれば恋愛以外のジャンルにも積極的にチャレンジし、ライターとしての表現の幅を広げていきたいです。お客様に驚きや感動を届けられる作品づくりに、これからも全力で向き合っていきます。
職場はどんな雰囲気ですか?
サイバードは先輩・後輩の垣根が低く、誰でも自由に意見を交換できるフラットな空気感があります。
他社ではプロジェクトのプロデューサーが用意した世界観をもとに進めることが多いですが、サイバードはライターも企画チームと同じく自由な発想や、裁量を持って取り組むことができます。
自分の手でゼロから世界を創り上げている感覚があり、その実感があるからこそ、開発中の困難も前向きに乗り越えられるのだと思います。
一緒に働いているメンバーへの想いをお願いします
私にはできない分野を力強く担ってくれるメンバーには、いつも深く感謝しています。
日々支えていただいているからこそ、自分はシナリオでしっかりとお返ししていきたい、そんな気持ちでこれからもがんばっていきたいと思います。
※内容は取材時のものです