誰かの「好き」に響く良いモノを提供したい

商品企画

2020年、コロナ禍の転職活動で、まったく異なる業界からサイバードへ入社した荒木 美貴。入社から2年後の2022年7月にはサイバードの表彰制度「CYBIRD HEROES」にてMVP賞を受賞しました。社内でも数少ない商品企画(グッズなど物販の企画やデザイン)という仕事を担当する荒木が自身の仕事観について語ります。

幼い頃から明確だった、モノづくりをしたいというビジョン

▲遊技機キャラクターの商品企画を担う荒木 美貴

高校生になる前には『モノづくりを仕事としたい』という将来のビジョンが明確に見えていたという荒木。自身のキャリア形成の背景には、母親の影響が色濃くあります

荒木「母がアパレルデザイナーだったので、そんな母を身近で見ていて、幼い頃からデザイナーという職業があるんだということは知っていましたし、影響を受けました。自分自身も絵を描くことが好きで、漠然とですが中学生の時点で将来はデザインやモノづくりを仕事にしたいと決めていました」

自らのビジョンの実現に向けて、高校に入る前にすでに高校卒業後は専門学校に行くことを決めていました。絵を描くことは好きでしたが、それを仕事としてご飯を食べていくことは難しいと考え、専門的ではあるものの自身の幅を広げられるデザインの専門学校へ進学を決めました。

専門学校ではインテリア系の学科を選択しましたが、学校が自由な雰囲気で何でも経験させてくれるところだったため、違う学科の色々な授業にも顔を出すようになります。先生から、『荒木さんはどこにでもいるね』と言われることもあるぐらい、興味がある授業には顔を出し、多くの事を学びました。

荒木「入学当初の目的どおり、インテリア、プロダクトデザイン、工芸の基礎などを学ぶことができて、自身の幅を広げられました。今振返ると、この専門学校での学びを通じて自分にとってのモノづくりにおける魅力は『思考を具現化できる部分』だなと、言語化できたと思います」

こうした専門学校での学びや経験が、『仕事としてモノづくりをする』という明確なビジョンとなり、荒木の商品企画としてのキャリアがスタートすることになります。

川上から川下までを経験した前職でのキャリア

▲専門学校の卒業制作で「収集性の高い家具」をコンセプトに制作した作品

専門学校を卒業後、新卒で入社した会社では商品企画部のデザインチームに配属された荒木。そこではデザインをするというよりも、アイデアを売り込む仕事をすることになりました。これまでは『デザイン』という言葉で表現していたモノづくりですが、企画から製造という新たな工程を経験することとなります。

荒木「主に玩具メーカーのお取引様向けに手描きのスケッチを持っていって、『こういうことをやったら面白いと思うんですがどうですか?』というような提案をしていました。提案を気に入って頂いた後は、実際の製造に移っていくのですが『ここは尖っていて危ないから丸くしよう』といった安全性の検討をはじめ、作るためにはどういう金型で、どういう製造工程がベストなのかという検討にも携わっていました」

特に1社目で印象に残っていることは、入社4年目に社内の企画コンペで商品化の権利を勝ち取れたことでした。

荒木「女の子向けのおもちゃを企画するコンペで商品化の権利を勝ち取れたことは、大きなやりがいを感じました。小さい子はどんなものが好きなんだろうと考えるところからスタートした企画だったのですが、小さいお子さんが糊付けされたはがきのDMを面白がって開けたがるのが遊びになるのではと思い、それを使って子供同士で秘密のお手紙交換のようなものを考えました。コンペに勝てたことはもちろん、実際の販売まで持っていけたことはとても嬉しかったです」

アイデアを自ら考え提案し、それを形にして届けるという川上から川下までの工程を新たに経験したことにより、次なる目指すモノづくりの青写真が見えてきました。そこで、荒木は次なる挑戦の場を求めて転職をしました。

作りたいものは何かと問いかけて見えた「好き」に響くモノづくり

▲前職で作った企画書の一部

転職後は、ガチャガチャ用のおもちゃを作ったり、スーパーマーケットで使用する試食台やプライサーのような備品作りなど、B to Cのモノづくり、B to Bのモノづくりをそれぞれ経験しました。その中で、『やっぱりB to Cは楽しい。自分は直接お客様にモノを届けることをやりたい』と思うようになります。

荒木「B to Cのモノを作っていて楽しかったのが、実際に自分が作ったものを手に取って下さるお客様の反応が見られることでした。ひとひねり入れたところに気づいて頂けたり、販売後もお客様同士が商品を活発に交換している様子なども嬉しかったですね。会社は売れる、売れないの評価ですが、お客様は好き、嫌いの評価というか。その『好き』に響くものが作れたと思えた時が何より嬉しかったんです」

もっと、『好き』に響くモノづくりをしたいという強い想いが湧き上がるようになり、荒木は次なる転職を決意します。

B to Cのモノづくりの経験を最大限に活かし、やりがいを持って成長できると確信した荒木は、前職とは全く異なる業界でしたが、サイバードへ飛び込み新たな商品企画のキャリアをスタートさせました。現在は遊技機キャラクターのキャラクターグッズを中心とする商品企画を担当しています。

荒木「デザインを作って権利元様へ確認頂くところから、実際に出来上がったサンプルのチェック、その他、購入Webサイトの更新などを行っています。サイバードに入ってからのモノづくりのターゲットは男性のお客様です。これまでは女性向けのモノづくりを多く経験してきたので、男性向けのモノづくりでは通用しない部分もあったのですが、フィードバックを頂きながら少しずつ感覚をつかんでいきました」

そうやって実績を積み重ねてきた現在、『荒木さんどう思いますか?』と意見を求められたり、『荒木さんにお任せします』、と信用され任せてもらえることが、やりがいに繋がっています。

感謝を忘れないでモノづくりをしていきたい

▲オランダで見た水車で小麦粉を挽くパン屋のギア設備。モノの仕組みを知ることが楽しい。

商品企画としてのこれまでの経験と、良いものを作りたいという『プロとしての意識』は、入社2年目「CYBIRD HEROES」のMVP賞受賞という形で評価されました。魅力ある新商品を企画し、売上げに貢献したことはもちろん、関わる人を大切にするという荒木の仕事への姿勢により製造ネットワークを拡大できたことも大きく評価されました。

荒木「仕事をしている中で感じた感謝はどんなことでも伝えるということを大事にしています。感謝に限らずですが、相手を想う気持ちを言葉にすることが大事だなって。高校生のときに違うクラスになった友人から、いつも『元気?』って声を掛けてくれるのが嬉しいって言われたんです。自分は何気なくやっていたことでも、受け取る相手にとってはそういうパワーがあるんだなと思いました」

仕事においても、荷物を送るときに一筆付箋をつけるとか、やり取りをさせて頂く様々な会社の方にもありがとうをきちんと伝えるといった気遣いが人との関係を作り、続けていくために大切なのです。

荒木「自分自身が集中して仕事が出来るのも、同じチームの仲間がわたしの出来ないところをやってくれたりってサポートをしてくれるからです。いつも感謝しています」

そんな荒木がこれから先挑戦していきたいのは、社内で『モノづくり』の領域を広げていくことです。

荒木「自分がやってきたこと、できることというのが社内では特殊だからこそ、色々なところで役に立てる可能性があるんじゃないかと思っています。皆さん作りたいものがあるんだなと感じるし、そこに対してどういうアプローチや方法があるか一緒に探ることもできると思っていて。他のチームのモノづくりも見てみたいし、必要とされるところに自分の能力で貢献して繋がっていけるといいなと思っています」

誰かの『好き』に響く笑顔を生み出すモノを提供するために、『モノづくり』のプロとして、荒木はこれからも邁進していきます。

  • エンジニアブログ
  • Facebook