コンテンツプロデューサー
株式会社サイバードの原絵里子は、2児のママさん社員。サイバードの新規事業FaneX(ファネックス)の一翼を担い、何事にも前向きに挑戦する原が、子育てと仕事の両立、やりたいことを相談して挑戦できるサイバードの環境などについて熱く語ります。
検定事業の第一号「ホークス検定」の生みの親

サイバードの新規事業「FaneX(ファネックス)」は、サイバードが20年以上にわたり自社サービスで実践してきた“ファンマーケティング”の実績と知見を、新たなBtoB型ソリューションとして事業化したものです。2021年現在、原はFaneXの一事業である検定事業のプロデューサーを務めると共に、既存事業の推進と、二束のわらじを履いています
検定事業は、Fanexの中で「ファンが喜ぶツールを提供しよう」というところから始まりました。その中で原が生み出した新規サービスが「福岡ソフトバンクホークス検定」です。
原 「『ホークス検定』は、サイバードが手掛ける 検定事業の第一号。福岡ソフトバンクホークスの15周年を記念して、開催することになりました。オンライン検定なので、合格水準である70%を満たせばWebの認定証をダウンロードできる仕組みです。特典として壁紙がもらえたり、オンラインイベントに参加できる抽選権がもらえたりします。合格した人だけが購入できる商品ラインナップも取りそろえました」
サイバードといえば「イケメンシリーズ」という印象が強いですが、以前から「スイムレコードモバイル」、 「オートレースモバイル」など、スポーツ系の月額サービスにも力を入れています。
原 「『ホークス検定』にはディレクターとして参加したのですが、当時の プロデューサーが熱烈なホークスの大ファンだったので、企画を考えるのは頼りにさせて頂きました(笑)」
サービスをリリースする日は、「まるで子どもが生まれたような感動」がある、と原は語ります。
原 「長い時間を掛けて作り上げてきたものが世に放たれる感動、どれだけのお客様に使って頂けるだろうかという期待で万感の思いです」
作り手であることを支えるのは、「より多くの方に喜んで頂きたい」という気持ちです
原 「既存サービスでも、『ありがとう』という言葉だけ伝えるためにお問い合わせを利用してくださるお客様もいらっしゃいます。そういう瞬間は、何回体験しても嬉しいものです」
コンテンツを生み出す側になりたい。育休復帰と新たな挑戦

入社後は、カスタマーサービスやプラットフォーム営業など、コンテンツ事業のサポート部隊に所属していた原は2013年、1回目の産休育休に入ります。
原 「女性向けの恋愛シミュレーションゲームに力を入れていたので、女性社員の比率がどんどん増えてきていました。会社としても女性のライフステージ変化へのサポートを推進していましたので、産休育休に対する逆風が吹いている、ということはありませんでした」
復帰後は産休育休前に所属していた営業部門へと戻った原。しかし、入社当初から抱いていたコンテンツを生み出すポジションへの憧れが消えず、復職から1年後の2015年に異動をしたいと決意しました。
原 「子育てをしながら、新しい仕事をするのは大変だと思ったのですが、ここで諦めてしまったら、一生コンテンツを創る側にはなれないかもしれないと思ったんです。当時の上司からも『大丈夫?』と心配されたのですが、『どうしてもやりたい』という覚悟を伝えました」
こうして原は、2015年に念願のコンテンツ事業部門に異動をします。
原 「当時は、ドコモやKDDI、SoftBankが展開するプラットフォーム上で利用できる定額制サービスをサイバードから どんどんリリースしていました。そのサービスをさらに増やし、安定的に運用するのが私の仕事でした。
念願かなったポジションでしたが、今振り返っても大変な時期だったかもしれません(笑)実は、そのタイミングでパートナーが単身赴任になったのです。育児でも気が抜けない状態だったんですが、置かれた逆境に負けたくない、このままで終わらせたくない、と思いながら働いていました。何かを変えたかったのだと思います(笑)」
がむしゃらに働いた原は、既存事業に留まることなく、当時アメリカで台頭してきていたVoiceUIサービスの国内での立ち上げにも参画。仕事と家庭の両立が軌道に乗り始めた2019年には、2度目の産休育休も経験します。
原 「事業をサポートする横断部門で経験を積んで、産休育休しながら新しい仕事に関わるようになって、一見遠回りしたように思えるのですが、今思うと近道だったのかもしれないと感じています。営業時代の知識も、カスタマーサービスのときの知識も、新規事業を生み出す上で役立ちました。ここは自分の居場所じゃない、と投げ出さなくて本当によかったと思いますし、本気でやってみたいと、諦めずに異動をしたからこそ、今があるのだと考えています」
仕事と育児で凸凹解消、やりたいことができる仕事の魅力

2020年には2度目の産休育休より復帰。現職のコミック系アプリと検定サービスを担当することとなりました。
2度目の復職時には大きな変化が起こっていました。コロナの影響により、職場ではリモートワークが始まっていたのです。
原 「当時は、Zoomの使い方もままならない状態でしたが、チャットとビデオミーティングを通じて交流を深めていきました。わからないことは遠慮なくわからない、と言うようにしましたね。社歴が長いこともあって、わかっていると思われがちなのですが、『そこは休んでいたのでわからなくて…、以前と変わっているので教えてください!』と、伝えています。フレッシュな気持ちで周りに思い切り頼っていました(笑)」
緊急事態宣言により、小学校も保育園も休みの中、原はリモートという環境を活用しながら育児との両立をしていきます。
原 「オンラインミーティングの最中、画面に子どもが映り込んでしまうこともありました。キャッキャしてるのでこまめにミュートして(笑)。名探偵コナンのIPサービスを担当することになった時は、漫画やアニメを観て情報をたくさんインプットしていました。子どもを抱っこしながらやっていたので、子ども一緒に詳しくなっていました(笑)」
多岐にわたる仕事をこなす原は、育児と仕事を両立していく中で、両立をしているからこその新たな発見をしていきます。
原 「上の子どもが今ちょうど反抗期真っただ中なので、私が用意した洋服を拒否したり、用意した食事を食べなかったりするのは日常茶飯事。ですが、仕事の場合、提案してそれがストレートに跳ね返されることはありません。仕事では、相手がしっかり意見を聞いてくれるので、いい意味で切り替えができますね」
育児がしんどい時期にはちょっと仕事を頑張ってみるとかえってうまくいくこともありますし、逆に育児が充実しているときは、仕事で凹んでもプラスマイナスゼロ。育児と仕事の間を行ったり来たりして帳尻を合わせながら両立するのが原流の秘訣かもしれません。
新たな夢―子どもたちが喜ぶサービスを提供したい

仕事と育児を両立するためのポイントは、「自分を受け止め、大切にすること」だと原は語ります。
原 「母親は、子どもを産んだとたんに自分をないがしろにしがちですが、自分にまったく余裕がない状態では、何を頑張ってもうまくいかないと気が付きました。自分のマンパワーを、仕事100、育児100、家事100で合計300%にすることなんて、無理に決まっています」
一度そういう風に思ってしまえば肩の力が抜けて、どうやれば良いのかが見えてきたのです。
原「自分のやりたいことをチャレンジしてもいい、1日の中ですべてを完璧にやろうとせずに、1週間や1カ月、時には半期という時間軸で考えて、優先順位をつける。誰かに頼れるところは甘えたり、余裕があるときは率先してフォローしたり、うまくメリハリをつけて、自分の出せる100%を維持しながらバランスを変えても、しっかり評価してもらえると思います。子どもがいても活躍できるステージはあるんだなと思いました。」
今後の展望として原は、子どもがいるという自身の強みを活かして、「子どもたちが喜んでくれるサービス」を作っていきたいと考えています。
原「色々考えてはやめ、考えてはやめを繰り返しています。やりたいなと思うことは大きな投資が必要なこともあり、サイバードとしてどういう分野であれば参入できるのかということも含めて、これから更に具体的に考えていきたいと思います」
原 「サイバードには魅力的な人が多いです。やりがいを持って仕事をしていると、周囲が応援してくれて、やりたいことを声に出して、努力さえすれば、自分の望む仕事にチャレンジできる機会がめぐってきます」
やりたいことを実現するため、これからも進み続ける原。
さまざまな難関を潜り抜けたからこそ得られた経験値を最大限に活かしながら、新たなサービスを生み出していくでしょう。