代表・堀と注目社長の対談シリーズ
《挑戦と情熱の経営》
第3回:トレンダーズ経沢社長「女性が輝く社会を目指して」

REPORT「イベント/プロモーション」

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[対談シリーズ]挑戦と情熱の経営

転載元:財界 2014 新年特大号/構成:大平明

[第3回]

女性が輝く社会を目指して

株式市場へ新規に上場した注目のベンチャー企業経営者を招き、挑戦精神と情熱に溢れる経営手腕に迫るシリーズ。
第3回は、女性に特化したソーシャルメディアマーケティングのトレンダーズ(株)経沢社長に登場いただきます。

女性の声が消費を活発に

経沢香保子

つねざわ・かほこ/慶應大学を卒業し、リクルートに就職。その後、創業間もない楽天で楽天大学などの新規事業を成功させ、2000年、26歳でトレンダーズ株式会社を創業。著書『自分の会社をつくるということ』は10万部を超えるベストセラーになり、主催する女性起業塾は大人気を博す。昨年10月には、東証マザーズに上場。現在、最年少上場女性社長として多方面で活躍する一方、次世代の女性の生き方・働き方をあらゆる場面で提案し続けている。

 トレンダーズがどのような会社なのかご紹介ください。

経沢 F1層に特化した女性向けのマーケティングをやっています。世の経営者の9割は男性なので、物事のジャッジメントをするのは男性という社会ですが、消費の中心は女性。流行に大きな影響を与え、家族の財布も握っているので、女性の意見がマーケティングに繋がればもっと消費が活発になる、という思いで始めました。でもすべてを対象にするのは難しいので、最初はスモールビジネスに特化し、オリジナリティのあるサービスから始めました。ブログが一般化してからは、ソーシャルメディアを使ったプロモーションの仕事が急増しています。

 私達の会社では商品力と販売力を大事にしています。マーケティングを強みにしながら、様々な会社とお付き合いをしていますが、“8万人の女性ブロガー”や“1万人のモデルをネットワーク”などと宣伝しつつ、どうも信用できなさそうな会社も多いなか、トレンダーズの評判はなぜ高いのですか?

経沢 ビジネスのために後からネットワークを作ったのではなく、元々創業時からリサーチのためリアルなオピニオンリーダーのネットワークを作っていて、次に女性起業塾で広まり、そこへ企業からブログマーケティングの案件が集まって確立していきました。そして今、売上の9割以上は大手クライアント。1件ごとの額が大きく付き合いが長くなるので、より深い提案ができることも大きいと思います。

 着実に集積していった結果ということですね。なぜ良いクライアントが多いのですか?

経沢 売上を安定させるために、営業を大手企業に絞った時期があるんです。安定的に信頼関係を築くには予算がある企業に行くのが得策だと考えました。

【トレンダーズ株式会社】
創業以来、F1女性に特化したマーケティング事業を展開。現在はソーシャルメディアとのトータルプランニングを行っている。ソーシャルプレゼントサイト「Amaze」、スマホ向けプロモーションアプリ「キニナルモン」、動画を活用したプロモーションや、女性たちの“リアル”を発信する「ソーシャルガールズラボ」等を、立て続けにリリースしている。

視聴率ある時期を逃さず

   

対談は、本社1階のシアターサイバードにて
社員に向けて行われたもの。

 

 経沢さんが仕事をするうえで、意識していることは?

経沢 いつも心掛けているのは、スタートダッシュですね。例えば入社や転職したばかりの時期って周囲からの「視聴率」が高いじゃないですか、特に女子だと。その時に「本当に目的や目標がある人間だ」と思われたら、相手のサポートがより本質的になる。女の子だからではなく、コイツ本気だから、と。その期待と信頼を獲得するため、視聴率のある時期に結果を出すことを常に意識してきました。新しいパートナーと仕事を始める時もまさにそうです。

 そうして信頼を築いていくのですね。一方で、社員が大量に辞めてしまった辛い時期があったそうですが。

経沢 2007年ごろです。辛いですよね。人生をかけて私の会社に来てくれたんですから。社員が辞めた理由の根底には、会社の業績が伸びなかったことがあるので、強い経営を作るために営業の組織を作ってくれるトップや経験のあるCFOに三顧の礼で来てもらいました。そして、社員には常に刺激があるような環境作りをしています。

 その部分での工夫は?

経沢 抜擢人事や2段階昇格です。取り組むテーマに対して、最も功績を出した人から選んだりします。結果、仕事の質、マーケティングの質も上がる。

 社員には機会をあげたいし、色々なことに挑戦してほしい。ただ上手くいかず結果が出ないことだって当然ある。でもそこで失敗したからって辞めてほしくない。一からやり直すぞと、切り替えてもらいたいですね。

経沢 だから何を目指しているのかを再確認して、チャンスをもらえたことが財産なんだって、わかってもらえる文化を社内に作ることが大切だと思います。

 最後に、経沢さんの今後の野望を教えてください。

経沢 日本の女性のあり方を変えたいです。おこがましいですが、日本は先進国の中でも女性が活躍できていない国。弊社の女性にはエリート教育をしたいし、私自身も行くところまで行って、そのあり方の一つを見せたい。女性が輝く社会にするのが、人生と会社のテーマです。

聞き手

株式会社サイバードホールディングス代表取締役社長兼グループCEO

堀主知ロバート

ほり・かずともろばーと/1965年、米国ワシントンDC生まれ。関西学院大学卒業後、ロンドンへ留学。98年、モバイルサービスを提供する株式会社サイバードを設立、代表取締役社長に就任。2002年、『BusinessWeek』誌アジア版の「The Stars of Asia 25」に、『TIME』誌の「世界のビジネスに影響を与えた若手15人」に選出。05年、世界経済フォーラムの「若き世界の指導者237人」選出。